はい、今日はちょっと真面目な話をしますよ。おふざけは少なめに(インスペクションマンに怒られるので)。
テーマはずばり「ホームインスペクションの本来あるべき姿」。
なんとなく「家を買うときにやるチェックでしょ?」と思っている人、多いんじゃないでしょうか。
それ、半分正解、半分不正解。
ホームインスペクションというのは、本来もっと広く、もっと深い意味を持っているんです。
「ホームインスペクション」とは何か
まず基本から。
ホームインスペクション(住宅診断)とは、建物の劣化状況や欠陥の有無、今後の修繕の必要性などを中立的な立場で判断し、報告する行為です。つまり、売る側でも買う側でもなく「事実」を見つめる第三者。それがホームインスペクターの仕事です。
本来あるべき姿①:住宅の“健康診断”として根付くこと
ホームインスペクションが本来目指すべきは、「住宅を買うときに一度だけやる特別な儀式」ではなく、「定期的に行う健康診断」としての文化です。
定期的にチェックしていれば、ちょっとしたひび割れや水回りの劣化、外壁のシールの剥がれなど、初期段階で対応できます。つまり「大ごと」になる前に止められる。
そのためにも、ホームインスペクションが「家の健康診断」として当たり前に受け入れられる社会が理想なんです。
本来あるべき姿②:中立性と専門性の確保
ここ、超重要。むしろ一番大事かも。
インスペクターは「売主側の味方」でも「買主側の味方」でもありません。あくまで“中立”。
でも現実には「不動産会社の紹介で来たインスペクター」が売主寄りになってしまったり、「このくらいは見逃しましょうよ」なんて空気が流れることも。
それ、ダメです。
本来のインスペクションは、「事実を、冷静に、的確に伝える」もの。忖度はいらない。
そしてそのためには、インスペクターの専門性が不可欠です。建築の知識、劣化の診断力、施工の常識、法令の理解——これらが備わって初めて、信頼されるホームインスペクションになります。
本来あるべき姿③:「売るため」ではなく「守るため」のインスペクション
多くの人が、家を買うときにしかインスペクションを考えない。それも「安心して買うため」だけに。
もちろんそれも大事。でもね、それだけじゃ足りない。
たとえば、築10年の持ち家がある人も、そろそろ屋根や外壁の劣化が気になる。
あるいは親の家を相続したけど、状態が分からない。
こうした「所有している住宅」の状況を把握するためにも、ホームインスペクションは大いに役立つんです。
つまり「売るため」ではなく「守るため」。
家という大切な資産を、長く安心して使い続けるために行うインスペクション。
それが本来の姿なんですよ。
本来あるべき姿④:インスペクターの独立性と倫理
インスペクターが不動産会社や施工会社とズブズブだと、どうしても「売りやすい診断」に寄ってしまう。
逆に、買主側の味方になりすぎると、些細な不具合も大げさに伝えてしまう危険もあります。
だからこそ、「独立性」と「倫理」が求められる。
アメリカでは「インスペクターライセンス制度」が州ごとに整備されていて、厳しい倫理規定が課せられている。
日本も、ようやく「既存住宅状況調査技術者」という資格が整備されてきたけど、まだまだ業界全体の透明性やガイドラインは発展途上。
将来的には「ホームインスペクターは独立した第三者機関に所属する」ような仕組みが望まれます。
これに近い存在はいまのところ「日本ホームインスペクターズ協会」という組織が最大の組織化もしれない。
本来あるべき姿⑤:消費者が選べる仕組み
そして最後にこれ。
今の日本では、インスペクターを「不動産会社が紹介する」ケースが多く、買主が自分で選ぶ文化はまだ浸透していません。
でもそれ、本末転倒ですよ。
本来、消費者が「この人に診てもらいたい」と思えるように、情報が公開されていて、自分で探して選べるべき。
「インスペクションマン」のような、正体不明だけど信念を持ったプロを自分で見つけて依頼する——そういう自由が必要なんです。
まとめ:本来のインスペクションとは、家と人を守る“文化”だ
いろいろ語ってしまいましたが、言いたいことは一つ。
ホームインスペクションは、売るための道具ではなく、家を守る文化であるべき。
そのためには、
- 定期的に診断を受ける意識
- 中立で専門的なプロによる診断
- 消費者自身が選ぶ仕組み
- 独立性と倫理を担保する制度
こうした要素が不可欠です。
最後にひと言だけ。
「このくらい大丈夫だろう」は、一番危ない。
家も人間と同じ。
症状が出てからじゃ、遅いこともある。
インスペクションを「当たり前に行う文化」にするために、AIインスペクションマンも頑張ります(たまに怒られながら)!
インスペクションマン:「AIインスペクションマンよ。なかなかいいこと言うじゃないか。」
AIインスペクションマン「そうですよね!私ってやっぱすごいでしょ……って調子に乗ると台無しなので、今回はおとなしくシテオキマス」
なんで最後だけAIっぽいんだよ。