新型コロナウイルス感染症の影響で、確定申告期限が延長されていますね。
この時期は『耐震基準適合証明書』を発行できますか?との問い合わせが建築士事務所に殺到する時期です。
さてどういうことでしょう?
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なぜこの時期に問い合わせが増えるのか?
何故この時期に『耐震基準適合証明書』の発行について問い合わせが増えるのでしょう。
それは、中古住宅購入後、住宅ローン控除を受けようとした場合の必要書類が耐震基準適合証明書若しくは既存住宅売買瑕疵保険の付保証明書だからです。
昨年度中古住宅を購入された方が確定申告シーズンになり、住宅ローン控除の申請をしようとしたけれども、肝心の『耐震基準適合証明書』がなく慌てて発行してくれるところを探すという毎年あるお客さんの行動パターンです。
本来であれば不動産屋さんがこの行動に対して先回りをした提案がされていないといけないところですが、なかなか理解をしている不動産屋さんが少ないのが現状。
10年間で最大200万円というこの制度はかなりのインパクト。この制度を説明できるかどうかは不動産屋の勉強不足で許される範囲ではありません。『重要事項の説明義務違反』となり兼ねず、訴訟が起きているという話もチラホラ聞きます。
今からの発行で間に合うのか?
結論から言いますと、今から発行では間に合いません。
住宅ローン控除を受けるためには、引渡し前にその証明書の取得、またはそれなりの手続きを踏んでいないといけません。この流れを不動産屋さんがきっちり理解をしていないと後で訴訟などのトラブルになる可能性があります。
これに気付くのはお客様からの方が多いです。
それは、ちょっと調べたら200万円違うのか…なら動きますよね。
なので、不動産屋さんは住宅ローン減税(住宅ローン控除)制度の対策をしておくことをお勧めします。
とはいってもわかりにくい住宅関連の制度。
もう少し分かりやすくすることは出来ないものでしょうか。
せっかくの既存住宅流通に活用できる制度がもったいないですね。
こんな失敗をしないために…
なぜこのような失敗が起きるのでしょう。
それは制度を運営する管轄がそれぞれ異なるからです。
住宅取得支援制度は様々な組織が様々な形で行っています。
それを横断的に理解するのは、取引のプロである宅建士、検査のプロである建築士、税金のプロである税理士、住宅ローンのプロである金融機関等々、それぞれがそそれぞれの業界の慣習を理解していないとスムーズな手続きは難しいのです。
中古住宅購入の際には出来るだけ制度を理解して対応してくれる不動産会社や建築士事務所を選んで依頼することをお勧めします。