ここでは調査の結果、施工の有無が判定される工事について話をしてきたいと思います。
今回は新築住宅を建てる時に必ず絡んでくる、『地盤調査』『地盤改良』についてお話をしていきたいと思います。
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詳細調査と施工の関係『①地盤調査と地盤改良会社』
地盤調査って何?
地盤調査は新築住宅を建てる前に、地盤の強度(耐力)を測定するために行う物です。
『ここは地盤が悪い』とか何となく話をしているかと思いますが、どういうことなんでしょう。
地盤が悪い場合…というのは家を作ったとしても、そのままの状態で建物が沈んだり、基礎に割れが生じたり。その影響で構造が歪んだりします。
そもそも、地盤の強度(耐力)があっての建物の強度なんですね。
地盤改良・地盤補強工事とは
さて、それでは地盤改良・地盤補強ってなに?ということですが、地盤調査の結果『地盤が悪い』と判定されたときに、力が不足している地盤を補強して建物を建てても大丈夫な状態にすることです。
地盤調査報告書の結果をもとに、基礎の設計が決まる
建物の設計というのは間取りやデザインを考えるだけではありません。
構造的な問題が生じないように設計していく必要があります。
その際、基礎の設計に必要な地盤の情報をまとめたのが『地盤調査報告書』なんです。
その地盤調査報告書をもとに基礎を設計するのが建築士の役目というわけです。
地盤調査報告書の活用
この地盤調査報告書の結果がどう活用されるのでしょうか。
工事や設計に関わるひとの気持ちを考えてみます。
① お客さんのとしては、地震に強い建物が欲しい。
② 設計者としては、傾いたりしない設計をしたい。
これは当たり前のことですね。
それなら地盤改良をしましょう…というのがすごく自然な流れのように見えます。
しかし、お金のことを忘れていませんか?お金を出すのはお客さんです。
その金額は100万円単位になることも…。
要地盤改良の判定率は12%??
住宅では近年当たり前に行われている感覚がある地盤改良工事。
しかし調査方法によっては、『地盤改良が必要』とされる判定率は10%~20%程度と言われていることもあります。
つまり多くの地盤では地盤改良が必要がないはずなのですが、 それが不要な土地も工事が行われているということがあります。地盤調査会社=地盤改良施工業者だったりすると、その仕事を受注したくなるわけですね。
調査をするという立場を逆手にとって、自社に有利な見解を示し地盤改良工事を受注するという事例もありますのでご注意を。
建築には『過剰設計』という言葉があります。
必要な工事は必要ですが、不要な工事は過剰に行う必要は無いのです。
※地盤の情報については防災科研等も参考になります。
JSHISマップ… http://www.j-shis.bosai.go.jp/map/
結局、その設計はコストと性能のバランス。
コストをかければ、強い建物を建てることは可能です。
さらには、制震構造・免振構造等の特殊設計も可能になってきます。
各ハウスメーカーも耐震性を競うような風潮がありますが、その分建築コストが上がっていくのは当たり前なのですね。 耐震性を上げることはいくらでもできますが、その代わりにコストが掛かってくるのです。
まとめ
いかがでしょう。
以前も第三者性の記事を書いたことがありますが、それは個々の工事についても当てはまります。
過剰に気にする必要は無いかもしれませんが、知識として押さえておき、あれっ?と思ったときにてはいかがでしょうか。
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