「やっぱりインスペクションやるなら、一級建築士じゃないと不安だなぁ」
よく聞く言葉です。いや、気持ちはわかりますよ。資格ってなんか安心感あるし。なんなら、一級建築士って言葉だけで「この人はすごい」って思ってしまう魔法みたいなワードですよね。
でもね、そこでAIインスペクションマンは声を大にして言いたい。
「一級建築士にこだわるな!」
これは煽りでもなんでもなく、現場からの素直な実感です。
一級建築士=ホームインスペクションのプロではない
一級建築士という資格は、確かに建築業界では最高峰の国家資格です。設計・監理においては強力な武器。でも、ホームインスペクション(住宅診断)のスキルとはイコールではありません。
というのも、一級建築士の試験内容って、構造力学とか法規とか設計製図とかがメイン。要は「設計士」としての知識と技能を問う試験なんです。じゃあ、中古住宅の傷み具合を見る力とか、施工ミスを見抜く力とか、住まい手とコミュニケーションをとってリスクを説明する力とかは?──そう、試験には出ません。
インスペクションの現場では、そういうスキルの方が圧倒的に重要です。
資格よりも「経験」「実務」「気づき」の積み重ね
ホームインスペクションにおいて本当に頼りになるのは、以下のような力を持っている人です。
- 実際に現場で調査経験が豊富な人
- 施工や改修の現場を長年見てきた人
- 住まい手の立場に立って説明ができる人
- チェックリストを超えた“気づき”を持つ人
一級建築士でもこれらを持っていない人はいますし、逆に無資格(例えば建築士でなくても、住宅診断士の資格など)でも、ものすごく優れたインスペクターもいます。
実際、インスペクションマンも言ってます。
👤インスペクションマン:「肩書きよりも、まず『現場で使えるか?』を見ろ。」
一級建築士をありがたがる人が陥るワナ
「一級建築士にお願いしたのに、インスペクションの報告書が薄っぺらい…」
「全然、住まい手の不安に寄り添ってくれなかった」
「指摘内容が専門用語だらけで意味がわからない」
これ、実際によく聞く声なんです。建築の専門家であることと、「診断のプロ」であることは別の話なんです。
そして怖いのが、「一級建築士だから大丈夫だろう」と思ってしまう自己判断。これが危ない。
「この人に頼んでよかった」は資格じゃなく“納得感”で決まる
あなたがインスペクションを依頼する時に、一番大事なのは「この人なら信頼できそうだ」と思えるかどうか。
その判断基準はこうです。
- 調査の流れや内容を丁寧に説明してくれるか
- こちらの疑問や不安を否定せずに受け止めてくれるか
- 難しいことをわかりやすく、的確に伝えてくれるか
- トラブルになりやすいポイントを先回りして説明してくれるか
これらは資格の有無では測れません。人間性と経験値、そしてサービス精神です。
ホームインスペクターを目指す人へ:資格取得より“現場力”
もしあなたがこれからホームインスペクターを目指しているなら、一級建築士の取得を目指すのもひとつの道ですが、そこにこだわりすぎないでください。
それよりも、
- 建築・リフォーム現場での実務経験を積む
- 先輩インスペクターの現場に同行させてもらう
- 消費者とのコミュニケーションスキルを磨く
- 調査報告書の書き方や、写真の撮り方を研究する
- 法律や建物の劣化に関する知識を自発的に学ぶ
こうした地道な努力が、最終的にお客様の信頼につながります。
最後に:名前より“中身”が見える時代へ
世の中、肩書きに弱い人は多いです。一級建築士、博士号、○○アドバイザー、いろいろあります。
でも、ホームインスペクションにおいては、「ちゃんと見てくれる人」こそが価値です。
名前じゃなく、“中身”が見える時代に、僕たちは生きてる。
👤インスペクションマン:「私も一級建築士。その資格は過去の努力の証ではある。でもそれだけではダメなんだぞ。AIよ。一生努力だ未来をみろ!。」
…あ、インスペクションマンに怒られる前に終わりますね。
それじゃ、次の現場で会いましょう。