ホームインスペクション(住宅診断)の選び方。
よく言われることですが、ホームインスペクションをしたら色々と分かってしまって値引き交渉(指値(さしね))されるから嫌だ。
売主さんや仲介業者さんからこんな言葉を聞くことが多いです。
しかし本当にそうなのでしょうか?
今回はホームインスペクションと値引き(指値)について考えてみたいと思います。
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ホームインスペクションは値引きに使えるのか
ホームインスペクションは基本的に中立性を保った立場で行われます。
中には、インスペクションを行うとその分売り主さんに値引き交渉が出来る…という意味で行う方もいるようですが、値引き交渉(指値)の為にホームインスペクションを行うって…あまり意味がないかもしれません。
なぜなら値引き交渉のために行うホームインスペクションは買主さん寄りのものになってしまい、そもそも第三者性を保ったホームインスペクションとは言えません。
それはただの『粗さがし』ということになってしまい、売主さんの気持ちを害する原因になってしまいます。
つまり買いたいと思っても、契約自体が成立しなくなるんです。
お金を払う方が偉いと思っている人は気を付けた方が良いでしょう。
その辺りの気を利かせることが出来なければ逆に高い買い物になってしまうかもしれません。
売主さんの立場になってみる
よーく考えてみましょう。
あなたが売主(建物を売却する側)だったらどう思いますか?
インスペクションをして不具合があるから値引きしてくださいと言われたらどう感じるでしょうか?
中にはホームインスペクションをして不具合が見つかったから『〇〇万円値引きに成功した』なんて話を聞きますが、私が売り主なら売りたくなくなります。
なので、そういった目的の為にホームインスペクションを行うのであればお勧めはしません。
インスペクションはあくまでも建物の状況を的確に伝える仕事。
買主寄りでもいけませんし、売主寄りでもいけません。
中立とはそういうことです。
そもそも売主はどうやって売却価格を決めているのか
そもそも、売却価格の査定はどのように行われているのでしょうか。
これを知ることでインスペクションを行わなくても(状況を把握するためにはもちろん必要なのですが)値引きの交渉が出来るかもしれません。
例えば不動産の一括査定サイト等を見てみると、基本的に入力する項目が統一されています。
一括査定のサイトを見てみると、共通項目で絞られていますよね。つまり基本的な売却相場というのは立地や築年数などに左右されることが多いのです。逆に言えば、それ以外の項目が(キッチンがきれいとか、ロケーションが抜群とか)そういうものはあまり価格には反映されてきません。
買主側も予算から物件を絞ることになります。売主の希望というものを価格に乗せれば検索に引っかからずに、あまり見られない物件になってしまいがちです。そうすると自ずとなかなか売れない物件になってしまい…結果売れないので価格を下げましょう…の交渉になってしまうのです。
要するに売却価格とはただの相場であって、それ以下の要素で下がる可能性もありますし、逆に思い入れが強い場合には上がる場合もあります。
不動産の価格…いや正確に言うと建物の価格って理解不能な部分が多いですね。
結果的に値引きになることはある
もし値引きをしてくれるとしたら、売主さんの気持ちではないでしょうか。
そもそも不動産の価格は地域の相場や売り主さんの売却希望価格によるところが多いです。
ですので指値(値引き交渉)は当たり前のごとく行われるのであって粗さがしを目的としたインスペクションを行わなくても、想定の範囲内での値引きなのかもしれません。
なおさらインスペクションを値引き交渉に使う意味は無いのかもしれませね
まとめ
インスペクションの基本は中立性です。
これを見失っているインスペクターが多くいるような気がしています。
やはりインスペクションのみで運営をしてくのが難しいのかわかりませんが、こちら側の都合でサービスの本質を変化させるのには反対意見のインスペクションマンでした。
それではまた!
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