住宅の建築をするときに、たぶん最も気になる部分ではないでしょうか。
『このハウスメーカーに技術力はあるのか?』
実は素敵な広告を作っている会社も、長い間生き残っている会社も、これが無いのに家を作っているということがあります。
『うそーん』とか思うかもしれませんが、それが出来てしまうのが住宅産業。
一見、技術力がありそうな会社だから大丈夫。
みんな建てているし、売れているから大丈夫。
実績が多いから大丈夫。
そんな風に思っていませんか?
広告や規模や数の実績等はあてにならないかもしれません。
今回はそんな視点で見破るヒントをのお話を。
宿題付きですので、利用してみてください。
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家は誰でも作れます。
いきなり何を言ってしまうのでしょう。
そんなことできないよ!だからプロに頼むんでしょ!!なんて怒られそうですが。
おっしゃる通りです。プロに頼むとよい家が出来ます。
でもその会社、本当にプロですか??
はてなマークでいっぱいにしていたらすみません。
でもこれ、本当に大きな分かれ道ですので注意してくださいね。
少しその内容を見てみましょう。
住宅会社の体系は一つではない
家を売っている会社とは言え、家のことを知っているとは限りません。
住宅建築業の体系をいくつか挙げてみました。
①自社で工事を施工(手を動かす)工務店
②下請け業者に分離発注して、家を完成させるハウスメーカー
③受注だけして、工事部門は丸投げ(建築士のみ自社)の不動産業者
大きく分けるとこんな感じかもしれませんね。
①自社で工事を施工(手を動かす)工務店
これは真面目な会社の場合が多いです。
その会社が長く続いているようであれば、地域からの信頼などで成り立っている会社の可能性があります。
気を付けるべきはその事業規模により、最新の技術や施工方法に精通しているか…。
住宅の性能は年々上がり続けていますが、細かい仕様が要求されるのでそれらを把握し、施工方法まで確立するのには時間がかかります。
ゆっくり確認しながらでもやってくれる工務店はあります。
ハウスメーカー同様のスピードは難しいですが、その内容によってはかなり良いものが建つ可能性があります。
インスペクションマンの経験上、最も指摘事項が少なかったのはこういった誠実な工務店が行った施工でした。
②下請け業者に分離発注して、家を完成させるハウスメーカー
住宅展示場に行くと様々なハウスメーカーがありますね。
ああいった住宅会社をイメージしてもらうとよいかもしれません。
大きな広告費を投入し、自社の商品開発とそのアピールに走る。
住宅展示場では営業マンの品質提案競争が行われています。
これらのハウスメーカーはやはりその規模や人員等も多いので、情報をキャッチするのが早いです。
最新の技術を展示して『おっ!?』と思わせるのが得意です。
インスペクションマンのたまに展示場に行きますが、やはりその技術論は理解できる部分があります。
ただし、彼らはそういった広告戦略を武器に家をたくさん売らなければその技術や広告費に投入した金額を回収できません。
なので、施工は分離発注(木工事は大工さん、水道工事は水道屋さん、電気工事は電気屋さん…)にならざるを得ません。
そしてそれらの業者は何十社、大きな会社では何百社にもなります。
①の工務店のように自社の息のかかった職人や業者だけで完成させるわけではないので、職種ごとの品質にばらつきが生じます。
それを管理するのが現場監督なのですが…。
そこがあまり機能していないのが現実です。
こういった会社は特にその品質管理に力を入れてもらいましょう。
お金を払ってでも、品質管理に人員を入れることをお勧めします。
③受注だけして、工事部門は丸投げ(建築士のみ自社)の不動産仲介業者
不動産仲介業者さんは土地の情報に強いです。
そこに目をつけた商売があるのです。
不動産業者はこれまでその仲介手数料等で収入を得ていました。
でももっと儲かりたいですよね…。
それがこのモデルです。
不動産屋さんにしてみれば、仲介手数料の他に建築工事に対する利益まで得ることが出来ます。
お客さんとしては土地の情報と一緒に間取りのプランや金額を提案されたらどうですか?
手っ取り早いですよね!
もうこれで決まり!となっても気を付けてください。
不動産業者は施工をしたことがありません。
でも家が建てられるという…。
その理由は何でしょう。
それは建売業者が工事のみ(家を建てることだけ)を請け負っているのです。そして法的な責任を負う建築士は不動産屋さんに所属する建築士です。
そしてこの建売業者は②の下請けへの分離発注モデルです。
さっきも言いましたが、この場合、管理が最も重要です。
果たして、家を建てたことが無い建築士にその管理が出来るのか…。
インスペクションマンの経験上、最も指摘が多かったのはこういったモデルの住宅です。
そして知識の無い建築士が責任を問われるという事態。
これについても管理に力を入れることをお勧めします。
誠実に仕事をこなす会社はどこにいるのか
こういった会社は本当は選ばれるべき存在ですよね。
でもどうやって出会うのか?
我々でもこれって本当に難しいです。
おすすめ!とかクチコミ!とかランキング!とか。
その中で1位を選べばいいじゃんとか思った方。
かなりのダメージを食らう恐れがあります。
あそこは資本力の世界です。
話半分で聞きましょう。
それならどうするか?
消去法でいってみましょうか!
問題です!詳細図を教えてください!
ハウスメーカーや不動産屋さんには以下の部分の納まりを聞いてみてください。出来れば工事担当者が良いです。営業さんは全く分かっていない場合もありますので。
建築の性能を左右する大切な部分。
建物にはその他にも注意すべき点は多くあります。
建物の納まりの『超基本的』な部分です。
自社の製品についてこれらがスラスラと描けない…持ち帰って社内で検討します…等の場合にはちょっと注意しましょう。
内容はどうであれ、それがわからなければ職人さんに丸投げの可能性があります。
詳細図が理解できていない技術者に現場の管理はできません
・管理者が図面を理解して、それを職人や業者に指示する。
・職人の工事に間違いがないか確認をする。
・間違いがあれば直す。
このルーティンが無ければ住宅の品質は上がりませんし、理想の家からは遠くなるかもしれません。
まとめ
今回はハウスメーカーの選び方について少しだけ触れてみました。
ただし住宅の形状や性能は様々です。
それぞれに気を付けるべき部分があります。
まずはそのハウスメーカーの特徴を知ることから始めることが無難です。直接展示場に行かない相談窓口を上手に利用しましょう。
LIFULL HOME’S 住まいの窓口その上で管理がどうなっているか、実際はどうなのかを確認していくのが良いかもしれませんね。
情報はインターネット上にあるものではありません。
もしかしたら皆さんのお住まいになっている地域のインスペクターがハウスメーカーの印象をよく知っているかもしれませんね。
まずは完全第三者のインスペクターに相談してみる。
それがこれからの住宅購入の入口になりますように。
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